院長・スタッフブログ

歯周病で歯を失うということ

otaaqua

 「もうこの歯は、抜歯しかありません」
新患の方にこう告げることは本当に心苦しいです。
反応は大抵決まっています。
「パッと見て、抜歯なんて・・・」
「痛くない、揺れているだけなんだけど・・・」
「いやいや、なんとかなるでしょ?・・・」
「他の医院で定期的にずっとクリーニングしていたのに・・・」

中には怒り出す人もいます。
ですが、私たちが手を抜いて、適当に「抜歯」などと言うことは絶対ありません。
どんな治療でもやってやって、やってあげたい。この気持ちで一杯です。

昔から来ていた方で、もともと厳しい(厳しいと言うのは、積極的な治療が不可で、メインテナンスでなんとか抜歯を遅らせている場合)状況の場合は、いよいよになった時
「ここまでなんとかもたせてくれましたね。残念ですが抜歯してください」と言っていただけます。
これは歯周病治療というのは、すぐに効果が出にくい、またホープレスの歯に対しては効果が薄いことを、患者さん自身が身をもって知っていただけたからだと思います。

初診で「抜歯しかありません」というのは本当に心苦しい。
どうにかして欲しい、と言う気持ちでいらしているのだから、なんとかしてあげたい。
でも、どうしても無理なケースは多くあります。
もちろん、私どもの話を信じられない場合はセカンドオピニオンもいたしますし、どんな病院にも紹介をいたします。
しかしそれで抜歯などを避けられたケースは経験したことがありません。
正直、患者さんの時間と費用、先方の医療リソースを無駄にしているだけです。

「なんとか、歯を残す努力をしてみましょう」
「普通の方法だと難しいけど、この方法ならもう数年もたせることができるきかも」
「今の状態なら初期治療の後に手術でなんとかなります」
このようなセリフが言いたい!
だから、歯に不安がある方は、早めに来院してください。
歯周病を含めてきちんと診てくれるところであれば、うちに限らずどこでもいいです。

歯の根っこに、爪の先ほどしか骨が残っていないような歯に、起死回生するような歯周病の治療はありません。
どうか、早めに早めに。
その後の治療にも差し支えますから・・・

 

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